修理カルテ
ROREX
● GMT-MASTER 1675
H県 K様からのご依頼品です。
云わずと知れた希少品です。
おじ様から譲り受けて以来、数々の思い出が刻まれた時計です。
その分キズなどが多く残っていますが、日焼けしたインデックスや色あせた回転ベゼルが活躍の跡を残していますね。
現在では100万円以上での取引がされている中、当店に修理ご依頼頂き大変光栄に思っております。
オーバーホール・風防交換・ブレスレット調整と修理内容は盛り沢山ですが、またK様の腕で活躍出来るようにしたいと思います。。。
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梱包を開いてみるとそこには、
年季の入ったGMTが威風堂々と・・・。
数々の修羅場を経験して来たのでしょう。
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早速パーツごとに分解して行きます。
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ムーブメントの汚れや破損具合も同時に確認していきます。
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風防部分を分解します。
この頃のGMTは段付きのプラスティック風防ですね。(現在はサファイアクリスタルガラス)
このドーム型の風防が良いですね。
アンティークと云われるにはコレが大事です。
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日焼けした文字盤(インデックス)と針が魅力です。
現行品のなかにもアンティーク風に加工した物もあるくらいですが、
長い年月を経たモノは風格が違いますね。
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全分解画像です。
ムーブメントは汚れの除去と遅進調整で大丈夫そうです。
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ゼンマイ(香箱内)や自動巻き機構と接する歯車は汚れが激しいですね。
(左 洗浄前、右 洗浄後)
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ムーブメントの組上げ画像です。
押さえ板と歯車が一体化している部分があるのがこのムーブメントの特徴です。
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テンプの受石も外して洗浄・注油します。
非常に小さい部品ですので、神経を遣います。
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文字盤裏の組上げ画像です。
日車の固定方法が現行のものとは大きく違っています。
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針の取り付けです。
ココが1番神経と遣うところでしょうか?
ピンセットでキズなどを付けないよう4本の針の関係を見ながら慎重に行います。
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ムーブメントとケースを固定するネジが腐食していました。
浸水があったのでしょうか?
新しいものに交換しておきました。
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ムーブメントが組上がったところで、
調子をみつつケースの修理・磨きに取り掛かります。新品仕上げとまではいきま
せんが、キズを消しておきました。 つや消し部分と分けて研磨します。
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ケース自体も洗浄します。
どうしてもベゼルの裏側などは埃や汚れがたまってしまいますね。
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風防の装着をします。通常は圧着方式ですが、防水効果を高めるために接着+
圧着方式で固定します。
すでに純正部品は製造中止のため、残念ながら、日付部分の拡大鏡はなくなってしまいます。
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続いてブレスレットの歪み修正をします。
使用しているうちにブレスレットのコマ同士が減ってしまい隙間が出来てしまいます。
以前は部品交換が出来ましたが、現在は部品もコマも無し。
出来るだけ隙間を無くしましたが、完全修正という訳にはいきませんでした・・・。
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遅進調整も無事終了!
ケースにムーブメントを入れます。
この時に1番上にくる秒針と風防が接触しないよう秒針先を確認します。
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リューズと裏蓋のO(オー)リング(防水パッキン)も劣化が激しい為新しいものに交換しました。
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自動巻き機構を組み立てます。
ローター芯の部分は純正部品以外で修理されているようでした。
しっかりと固定されていましたので問題無いと思います。
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自動巻き機構の動作を確認して完成です。
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オーバーホール・風防交換・ブレスレット修正が完了しました。
約1ヶ月弱程お預かりしてしまいましたが、
またご使用が可能となりました。
ありがとうございました。